“星の王子さま”、タイトルは知っている、聞いたことはあるけれど、読んだことはありませんでした。
”英語の勉強を兼ねて、英訳版 ”The Little Prince/RICHARD HOWARD訳”で初挑戦しようとしたこともありましたが、冒頭で早々と停滞し、それっきりになっていました。緊急事態宣言下の自宅時間中、たまたま見ていた通販カタログに、”星の王子さま/稲垣直樹訳”を見つけ、日本語訳版を手にすることになりました。
子どもの頃「星の王子さま プチプランス」というテレビアニメをみていました。その影響もあり、てっきり、子ども向けの、ただのファンタジーだと思って読み始めましたが、読み終えると、「私はきちんと考えて生きているか?」と自問自答してしまうような、なんだか、哲学書を読んだ後のような、思ってもみなかった読後感でした。
早速、成人音読クラスの生徒さんたちにお奨めしてみたところ、みなさんそろって”再読”してみます、と。そして、翌週、お二人ともが読まれ、
お1人は、
私は、ストーリーをささっと読んでしまう癖があるのですが、いつもの癖で読んでいると、なんだか、意味がわからなくなって、、、先生から聞いた読後感を思い出してもう一度、じっくり読んでみたんです。そしたら、まぁ、こんなお話やったんか、と驚きでした。早速、サンテグジュペリの”夜間飛行”も購入し、読み始めました。
もうお1人は、
昔、子どもたちに読みきかせたことがあるので、「ストーリー覚えてる?」と聞いたところ、「王子とバラの友情の物語だったかしら?」とうろ覚え。読み終わったあと、この本を子どもたちは当時、どんなふうに受け止めていたのだろうかと、不思議な気持ちでした。
このお2人は、音読クラスでの経験も長く、もう5年以上、英語の物語作品の音読・和訳に取り組んでいます。最近では、英語を訳すと、その場面を映像でイメージできると口をそろえておっしゃいます。ただの英語から日本語への短文集まりの和訳練習にとどまらず、訳した英文と英文の間、行間の場面をも想像できるくらいに、英語の世界に浸れるようになりました。
英語物語の世界をじっくり、くりかえしと味わってきたことが、日本語で書かれた物語の理解にも大きく貢献したようです。
さて、1978年から放送されたテレビアニメの主題歌は、詩も曲も、なんともいい感じに、物語全体をうまく伝えています。なぜこの曲は、こども向けアニメの主題歌なのに、こんなにももの悲しい感じになっただったのか…今、物語を知り、納得。さすが、阿久悠!さすが、三木たかし!一部の世代限定となりますが、どうぞ懐かしんでください。
あたまのまうえに星がある
あれがあれがぼくの星だよ
プチプランス、プチプランス
ルルルルルルル
あまりにちいさい星だから
きみのめにはなにもみえない
プチプランス、プチプランス
ルルルルルルル
だけどあるんだよ
みあげてごらん
そのうちきみにもみえてくるよ
ルルル、ルル、ルルル、ルル、ルルル、ルル
星の王子さま
アニメ「 星の王子さま プチプランス 」主題歌 作詞/阿久悠 作曲/三木たかし
教室に何冊か日本語訳本、英語訳本を準備しました。ご興味のある方へ貸出しております。