暗記学習のすごい力

英単語

先日、大人の英語音読クラスの授業体験をされた方の現在の英語力と、英語学習歴と学習ブランクがどうにも合致せず、とても不思議でしたのでみなさんとも共有しますね。

体験者は50台後半の女性。娘さんがアメリカ人とご結婚され、その娘さんは現在アメリカ在住。お孫さんが生まれてからは、おばあちゃんである体験者様は年に2~3回、子育てをお手伝いしに渡米する、という生活がここ数年続いているとのこと。

とそんな、お孫さんが2歳を過ぎたころの渡米中のある日、お孫さんの自分への反応に「このままではあかん!」と危機感を感じたというのです。

2歳半のお孫さんが「この人(体験者=ばぁば)は僕の言ったことわかってないな。」という目で自分を見てる、というのです。

そういえば、近隣(アメリカでの)の人との会話も最初の挨拶だけで、続きは聞き取れず話が続かない。なので、親しくもなれない。家族の中にあっても、会話は英語なのでどことなく疎外感。

そんなこんなで、「このままではあかん。あと1年でなんとかする(聞き取れるようになる)!」と一念発起し、コア英語教室を選んでくださいました。

英語学習を再開するにあたり、自身の英語力の現状を知るために英検3級の問題をWebサイトのサンプル問題で解いてみたのだそうです。なんと、勉強なしにぶっつけで解いた英検3級でたった2問の不正解。中学レベルの英語力がしっかりあるようです。

体験時に確認した感じも、やはり英検3級レベルの文法力はあるようでした。

中学校以来、英語の勉強は一切やったことがないというのに、その実力。不思議だったので、中学の時にどんな学習をしていたのかと聞いてみたら、暗記学習をメインにした英語塾に通っていて、中学3年間のすべての教科書を暗記していたとのことでした。

中学時代の暗記が何十年も残ることが不思議だったので、さらに突っ込んで聞いてみると、英語を”分解”しました、と。単語に分解して、単語の意味は自分で辞書を引き、その発音記号も意味も、そして品詞も英文に書き込み、日本語訳をしていたというのです。

そしてその塾の極めつけは、10名のクラスの中で、暗記がきちんとできた順に座らせるというスパルタ方式。

英語に取り組むモチベーションを維持させるシステムのもとに、英文の仕組みの理解を伴った暗記を中心に育てられた中学生の英語力は、50年近くたっても残り続けるということなんです。

短期記憶で終わってしまいがちな英文暗記ですが、この方の場合、中学生の時に暗記した英語は、おそらく繰り返し使ったり、テストのためにしっかりと覚えたことで、短期記憶から長期記憶に移行したのかもしれません。長期記憶に入った情報は、忘れにくく、時間が経っても頭の中に残りやすいのです。特に、中学生という時期は記憶力が強く、学んだことがしっかりと定着しやすい時期ですので、それが功を奏したのでしょう。

暗記学習恐るべし、ですね。見直してみようと思います。