私(メインキャラクター)が先生に請う
毎月、雑司が谷の墓地へ参る先生に、私は一緒に墓地へ行っていいかとたずねた。物静かな先生の顔に、一瞬、陰がよぎる。それが気になった。先生は断った。じゃ、並んで歩くだけでも…と私はくいさがる。
the 1st
“May I accompany you, when you next visit the grave? I should like to take a walk around there with you.”
the 2nd
先生が「私は墓地へ散歩に行くんじゃないんだよ」と断ったのに対して
“But surely, we can go for a walk at the same time?”
the 3rd
先生は「私にとって、墓参りは非常に大事なことなんだ」と固辞する。
“Well, then,” I said,“please allow me to accompany you as a fellow visitor to the grave.”
文中では、主人公が譲歩しながらもくいさがる会話が、面白い。
先生はそれでも、「私は一人で行きたいんだ。私は妻でさえ伴ったことはない」とつっぱねた。
今日はこれまで。
*英文はEdwin McClellan訳「Kokoro」より引用)