おとなの学習意欲も、なかなかのものです。
成人音読クラスで教室授業再開後のクラスで『星の王子さま』を紹介し、各々が何年かぶりに再読し、感想を寄せてくれました。
2020年6月13日 天満校だよりより
実は、私たちの間ではまだ『星の王子さま』熱が続いています。
私が最初に読んだものは”新訳版”でした。新訳版は多数の出版社からそれぞれ違った訳者によって出版されています。別の”新訳版”を手に取りパラパラめくってみると…軽いっ、印象がまるで違う!
文章の軽さに違和感を覚え、まずは”オリジナル版”を読まなければ!と再読。…すると、最初に”新訳版”を読んだ時よりもずっとずっと、情景や王子さまの感情や、諸々が深く伝わってくるのです。”新訳本”の方が文体も固く読みにくいにもかかわらず、内容はグッと深く入ってくるのです。
訳によるものなのか…再読によるものなのか…
答え探しに生徒さんの力を借りようと、『星の王子さま』の”新訳版”でもう一度読んでみませんか?とおすすめしました。お二人とも”オリジナル版”を読んでおられたからです。
こなれた訳のおかげで、理解しにくかったところがすんなり入ってきて、さらに世界が広がりました。サンテグジュペリが飛行機乗りとしてみていた世界を、こんな風に広げることができるなんて、と、作者のすばらしさにも感動しました。
と、1人の生徒さんが、1週間後、早々に感想をくれました。そして、もうお1人は、自身が感動した部分を書き出しておられました。(ブログ冒頭の写真、達筆!)
お二人の感想や行動、そして私の感想も含めると、繰り返し読むということが物語の理解をより深くし、さらなる探究心を掻き立てるということが見えてきました。
さて、この成人音読クラスでは来週の授業で『星の王子さま』の英訳を行います。思ってもみなかった展開にうれしい驚きがあります。
先生に与えられた課題ではなく、自分たちからやってみたいと思った課題です。和訳テキストはもちろん、生徒さんの手書きの書き出しを使用します。
オリジナル英訳、そしてグレイデッドリーダーでの英訳、こちらも、同じ部分を2度、別の翻訳版でやってみたいと思っています。