おすすめの英語学習法

先日、あるクラスの成人の生徒さんたちとランチタイム。どこへ行こうかと思案する中、生徒さんのおひとりから「先生のおすすめのお店は?」とたずねられたので、お気に入りのうな重のお店を提案し、そこに決定。少々豪華なランチとなりました。…たまには贅沢も、ね。

さて、おすすめのレストラン、おすすめの洋服…ネットや雑誌で今のトレンドや季節にあわせて様々なものがおすすめされていますね。今回のように、誰かに直接おすすめされたり、おすすめを聞いてみたり、”おすすめ”はなかなか便利なキーワードです。

食べ物や洋服なら、おすすめに対してしっかり吟味し、また、自身の好みと照らしあわせて選び分けることは比較的容易です。

「おすすめの英語学習法」となると、どうでしょうか。

途端に判断基準があいまいになり、その気になりやすい傾向があるのではないでしょうか。その結果、始めてはみたものの長続きしないという繰り返しになってしまい、挙句、学習をあきらめてしまうという結果になってませんか?

自身の英語力を正しく判断できていない

自身の英語力の判断基準になるのは、学生時代の英語の成績、英検やTOEICなどの試験結果、英会話レッスンでの挫折経験、、、などなどでしょうか。

様々なおすすめ英語学習法に挫折する人の英語力は、十中八九初心者レベルであると言って間違いないと思います。多くの学習者さんが、自身の英語力以上の力を必要とする学習法を”できる”と判断し、それに手を出してしまうのです。「〇〇だけで英語がしゃべれる」というものは、例えば、単語の下積みがあれば、中学文法基礎があれば、正しく音読できれば、、、という英語の基礎ができていることが大前提のものが多いようです。

英語の基礎って?

英単語は基礎と言えば基礎ですが、学習の終わりがない、果てしなく続く発展でもあります。英語を読める、聞ける、書ける、話せるようになりたければ、語彙力強化は永遠に続きます。

中学レベルの英文法も同様です。日本語とは全く違うルールをもつ言語を学ぶのですから、その基本ルールを押さえておくことは、英語力をあげる近道になるはずです。

さて、英単語と文法をスムーズに学ぶためには何が必要でしょうか。これが、英語学習の基礎と言えそうです。

英語の音声

よし、基礎から単語頑張るぞ!中学文法頑張るぞ!と始めた学習の中に、「英語の音声」を取り入れていますか?最近の単語集や文法問題集のほとんどに音声教材が付随していますので、それを利用せずに学習するなんてもったいなすぎます。音声を聞き、同じように真似をして発声することを学習に加えていきましょう。

学習者の多くが、リスニングは苦手だと自省しておきながら英語音声を真似して発することをしないのがとても不思議です。英語を聞き取るためには、学習した単語の意味内容とその単語の持つ音をつなげなければ、理解などできるはずがありませんね。

英文のしくみ

文法の基礎、中学レベルの文法項目を習得することは英語を読む、聞く、書く、話すには欠かせません。誰もが中学校で英文法を学んできたはずなのですが、これがまったく身についていませんよね。文法、と聞くと、「不定詞」「受動態」「関係代名詞」などの文法項目の大見出しに目が行きがちで、問題集を使って項目を攻略しようとしがちですが、その方法でうまくいくのでしょうか。中学生の時と同じ方法で、丁寧にやりさえすれば力がつくのでしょうか。

「不定詞」「受動態」「関係代名詞」などの文法事項は、すべて英文の中に組み込まれるのです。その元になる英文の基本のしくみをきちんと習得せずに、複雑な文法事項をすっきりと理解できるとは思えませんね。英文のしくみとは、英文には主語が必要であることや、主語、動詞と続く英語の語順、そして代名詞…これら、日本語にはない英語のしくみをしっかりと定着するまで繰り返し経験する必要があります。覚えるのではなく、大量に経験するのです。

楽しく経験する。

「赤ずきん」「ランペルスティルツキン」「ヘンゼルとグレーテル」「ピノキオ」「みにくいアヒルの子」「ジャックと豆のつる」「トムサム」「シンデレラ」「若草物語」「あしながおじさん」などの英語物語教材を使って英語の音声としくみを大量に経験していきます。

臨場感あふれる音声をひたすら真似て、そして、その英文を一語一語訳していきます。一語一語訳すことを繰り返すうちに、英文のしくみが知らずのうちに定着していきます。とはいえ、短期間で完成するというようなものではなく、やはり、言葉の習得ですので、ゆっくり時間をかけて育てていくという感じになります。

時間をかけて物語を読みながら学習をすすめていきますので、子どもたち、もちろん学びなおしの大人の方にも「英語を勉強している」という重苦しい感覚はありません。単語暗記や文法習得を押し付けることはありません。テキストには英語の音声やしくみを学ぶのを後押しする仕組みをととのえています。

楽しく継続する。

音声と英文のしくみを強固にしたのちの英語学習は、その楽しさを加速させていきます。学びたいことを自主的に学べるようになります。もう、英語学習に挫折することはありません。やればやった分だけ伸びていきます。その歩みは遅くてもいいのです。それぞれのペースで学習を継続し、目標をひとつづつ達成していきましょう。