杉原千畝さんをご存じですか?
外交官だった彼は、リトアニアの日本領事館勤務の時、ポーランドを追われたユダヤの難民たちに日本の通過ヴィザを政府の命に背いて発給し続けた人。このヴィザのお陰で6000名ものユダヤ人が救われ…。
生徒さんに映画の試写会チケットをいただくまで、この方のお名前も功績も知りませんでした。「史実に基づく映画…なんだか難しそうだな」と思いつつ、生徒さんおすすめの人物とのことで、映画を見てまいりました。
良い映画でした。
チケットをいただかなければ一生知ることができなかったかもしれない、知っておくべき事実。高揚するような感動とか、そういう類のものではありませんが、上映時間139分と長めの映画、しかも史実に基づく固い映画であるにもかかわらず、ひきつけられたまま最後まで見ることができました。
杉原千畝を演じたのは唐沢寿明さん。
なんと、セリフの訳6割が英語!
本人は「ほとんど吹き替えです」とジョークを飛ばしておられますが、とても流暢にしゃべっておられました。日本人の話す英語なので、聞き取りやすくて、初級者のリスニングのお勉強にもなるかもしれませんね。
杉原千畝の仲間が日本の将校たちに殺された満州でのシーンで、イリーナという生き残った仲間の女性が、杉原千畝に向かって、”人殺し…”とささやきます。
字幕は”人殺し…”、
聞こえてきた英語は”You did this…”
英語のセリフのまま映画を楽しめたなら、その女性の感情がよりストレートに届いたかもしれません。
英語の聞き取りも含め、知らなかった史実を知るという角度からも見て損はない映画だと思います。
人としてどう生きるか…とか、今あるものにとらわれすぎた後の結末の悲しさ…とか、普段あまり考えないことも考えさせらる映画でした。
2015年12月5日公開です。おすすめです、ぜひ。